*** アルプスは今日もお天気 ***

第2話 チューリヒ到着



 長いフライトの末、たどり着いたクローテン空港も気を滅入らせるような曇天。う〜ん、明日からの天気がとても心配だ〜。
 と、思いながら、飛行機の窓の外を見やると、すっごいキュートな小型機が停まっているではないか。スイスエアなら赤地に白十字のマークの尾翼の部分に、なんと赤地に白いエーデルワイスの花が! 機体にもエーデルワイスの綴りが…。とっても写真に撮りたかったが、ついにカメラを取り出すチャンスはなかった。
 こういうのってチャンスを逃すと二度と巡り会えないもの。案の定、帰路でももうお目にかかることはありませんでした。残念。

 さて、とっても便利なフライラゲージで荷物は既にラウターブルンネンに向かっているため、私たちはそのまま空港を出ることができる。空港の地下に鉄道が通っていて、簡単にスイスの各都市へ向かうことができるのだ。
 その前にまず、切符を買わねば。
 切符売り場に並んで順番を待つ。家族三人分の半額旅行カードとクローテンからチューリヒHBまでの切符を買う。ちなみに半額旅行カードを買うにもパスポートと本人のサインがいるのだ。駅員さんは親切に、次のチューリヒ行きの電車の発車時間とホームを教えてくれた。
 で、教えられたホームに行くと、電車が入ってきた。なんとインターシティ。ダンナは、「ほんとにこれ、チューリヒに停まるの?」と言うが、だってIC特急が、国内最大の都市に停まらないでどこに停まるのじゃ〜、だよね。

 およそ10分ほどでICは、チューリヒ中央駅に到着。席が無くて連結部分のそばの通路に立ちっぱなしだった私たちは、みるみる回りの景色が大都市じみてくるのをカメラを構えながら見ていたのであった。

IC特急はチューリヒ中央駅へ向かう 車窓からの景色


 チューリヒは既に夕方。日が長いので、暗くはなっていないが、駅はお仕事帰りっぽい人たちでいっぱい。何となく、ようやく外国へ来たんだという 気がしてドキドキしてくる。ホームを出て人の流れに乗って右手へ行くと、道を挟んでトラム乗り場がある。さっそく、路線と停留所を確認するが、10番線というのはわかっても、運賃がよくわからない。 いかにも旅行者然とした東洋人3人が悩んでいるのを見て、大学生風のショートカットのお姉さんが「どうしたの?、どこに行きたいの?」と声をかけてくれる。美人だ〜。ここでまず我々はスイス人の親切さというのが骨身にしみるのであった。お姉さんもさんざん悩んだ後、「たぶん、ここよ」と、金額を指し示し、切符の買い方を教えてくれた。トラム乗り場に切符の自動販売機があるのだが、まず行き先の運賃ボタンを押し、次に半額カードを持っているなら1/2と書かれたボタンを押し、表示された金額のコインを投入する、とこれで切符が買える。ちなみにお姉さんとの会話は全て英語であった。
 これで一件落着、と思いきや、ダンナは渋い顔。「どしたの?」「小銭が足りん」
 …お札で切符は買えないのであった。とほほ。で、どうするの?

 本当は私たちはここで切符を買わずとも、そこまでの切符でトラムにも乗れたようです。でも、そのときはそうとは知らなかったので、切符を買いました。このときのドキドキも、今は良い思い出です。

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