ポートダグラス楽園日誌
「ロリキートと朝食を -レインフォレスト・ハビタット-」





5月29日(木)

 今朝は雲が多い。
 前半にアクティブなプランを組み、後半はのんびり行こうと決めていた。今日からは後半。ペースを落としてゆっくり行こう。

 今朝もパパは早く目覚め、既に日課となったビーチ通い。貝を拾ってきた。

 今日はポートダグラスにある動物園、レインフォレスト・ハビタットに行こうと思う。
 この辺りで有名な動物園は、パームコーブにあるワイルド・ワールドと、ここ、レインフォレスト・ハビタットだ。
 ワイルド・ワールドは二度目のケアンズ訪問時に遊びに行った。雨の日で、ぬれたカンガルーが餌をねだって飛びついてくるのがなかなか鬱陶しかった。

 レインフォレストハビタットは、キャプテンクックハイウェイをポートダグラス方面に曲がって直ぐのところで、私たちの泊まっているリッジスリーフリゾートからは近い。車なら3分ぐらいだ。


 この動物園の売りは、鳥との朝ごはんだ。8時から11時まで行っていて、料金を払うと、鳥が飛び交うビュッフェで朝食が取れる。
 朝8時にあわせて出かけた。

 大人にはシャンパンを出してくれる。パン、卵、フルーツなどが用意されている。自由に皿に取ってよい。

 ここではいろいろな種類のフルーツが食べられる。オーストラリアで珍しいフルーツを食べたいと思っていたら、わざわざここに来て食べるのもいいかもと思うくらいだ。前回のケアンズ訪問時にディンツリーのレインフォレストを回るツアーに入ったが、そのとき立ち寄った農園で食べたフルーツもある。甘くてとても柔らかい、白い果物カスタード・アップル。スライスしたら切り口が星型になるのはスター・フルーツだろうか。これは判らない、大きくて赤褐色で熟しすぎたバナナみたいなテクスチャーのフルーツ。マンゴー、スイカ、メロン、プラム、パイナップル…洋ナシは皮ごと食べられる。酸っぱいのが苦手でも大丈夫、豪州のパッション・フルーツは甘い。味も見かけも皮の硬いトマトにしか思えないものもある。

 思わず皿に山盛りにしてしまう。美味しい美味しい。
 食べているといつの間にか鳥たちがやってくる。


(レインボーロリキートがジャムを食べる動画はこちら 別窓で開きます)
 卵を調理してくれるお姉さんが、先ほどロリキートにジャムをやっているのを見ていた。
 ビュッフェによくある、一回分をパックしたジャムの蓋を開けて、ロリキートに差し出すとついばむのだ。なるほど、ああやるのね。
 早速子供たちにジャムを持たせる。
 あっ、来た来た。三羽もいる。カナとレナ、おおはしゃぎ。
 ロリキートが集まってくるのを見て、他のテーブルの人たちもカメラを持って寄ってくる。


 レインフォレストハビタットは、動物園としては小規模だ(ワイルドワールドもそんなに大きくない)。
 鳥類が多いことで知られ、内部も熱帯雨林を模してある。鳥たちは適当にその辺りを飛んだり闊歩したり…。


 左はカワセミ、右はワライカワセミ。
 結構大きいよ。頭が平たくて、斜に構えた目つきがなんとも言えず可愛い。
 ワライカワセミことラフィング・クッカバラは、笑い声に似た泣き声が有名で、シドニーオリンピックのマスコットにもなった。


 大蛇、パイソンのショーが始まった。係員が腕に巻きつけて登場。
 触ってみろ触ってみろと言われる。つやつやして冷たい。カナは恐る恐る、レナはわくわくと触っていた。

 コアラを見せてくれる時間まではまだ間があったので、カンガルーのコーナーに行くことにする。

 カナとレナに買った餌を渡し、カンガルーの傍に近寄る。
 大きいカンガルーと、小さいワラビーがいるよ。

(カンガルーの餌付けの動画はこちら ワラビーの餌付けの動画はこちら どちらも別窓で開きます)
 後ろから来た陽気なファミリーが、通りすがりにレナの頭をぽんと叩いて、ここにいるのは、さっきスネークを触ったおちびさんだと言った。

 10時からはコアラを見せてもらえる。
 コアラ・タイムは10~11時、15~16時と決められているのだ。
 コアラ舎に行くと、木にコアラが何匹かぶらさがっている。係員が元気が良さそうなコアラを一匹選んで記念撮影のスペースに運んだ。
 元気が良さそうったってせいぜい目を覚ましているという程度。
 もともと夜行性で動きものんびりとしたコアラは、どれも起きているやら寝ているやらという状態だ。
 カナは「動かないよ、動かないよ、つまらない」
 コアラっていうのは、ほとんど動かないものなんだってば。

 5ドルの寄付で、コアラに触らせてもらえる。ここはコアラ抱っこはさせてくれないが、触って記念撮影するのはOKだ。
 カナとレナも触らせてもらった。

 コアラ・タイムが終わったので、カンガルー・コーナーに戻った。まだまだ餌は残っている。

 あれ? 池の手前のワラビーには赤ちゃんがいるよ。
 袋の中から顔を出しているのが見える?
 かっわいい。


 エミュー・ウォークのコーナーでは、エミューが放し飼い。
 道をエミューが堂々と歩いてきた。そのリズミカルな歩みが面白くて、カナとレナはしばらくエミューの真似をする。

 小さな動物園ながら楽しくて、4時間もゆっくり遊んでしまった。

 動物園で何をお土産に買ってもらったの?
 駄目、内緒、見せないよーだ。
 あっ、判った、カンガルーのぬいぐるみだな。お腹の袋に赤ちゃんが入っているやつ。

子供たちにちょっと聞いてみた
コアラどうだった?
■カナ
 全然動かないから面白くない。カンガルーのほうがずっと好き。
■レナ
 寝ているところが可愛かった。



 午後はマリーナ・ミラージュへ。
 ポートダグラスは元々金の積み下ろしで開かれた港だ。ゴールドラッシュのとき、浅瀬のケアンズに代わり、ホッキンソン鉱山の金を積んで船は豪州を出港した。
 ポートダグラスは4マイルビーチと蛇行する川に挟まれたごく狭いエリアだ。中心をビーチと平行してポートダグラスロードが貫き、先端には灯台。ディクソン湾に面した美しい港を持つ。
 港はマリーナ・ミラージュと呼ばれ、優美な白い船がいくつも停泊しているほか、高級ショッピングセンターも併設されている。

 マリーナミラージュのショッピングセンター内。ブティックや土産物屋が軒を連ねる。子供服のオシュコシュもあり、カラフルで可愛らしい洋服が並んでいた。
 ここでなぜかカナとレナの服ではなくバービー人形の服を購入。


 天気も良くなってきたし、マリーナを見ながらオープンエアのお店でランチにしたいな。
 なのにカナが帰る帰ると言って聞かない。
 先ほど買った服を自分たちのベティとマンディに着せて遊びたくて仕方ないのだ。
 ベティとマンディというのは、外国のキャラクターらしい。前に日本のマクドナルドでハッピーセットについてきた人形を持ってきたのだ。ベティが主人公で、マンディのほかに何人かベティのお友達がいる。みんなスパゲッティのような髪をしている。こちらでもグッズをみかけた。人気があるのかも。

 ところでここで、謎のバーリーフーリー鉄道のオフィスをみつけた。
 ポートダグラスを貫き、モスマンまでサトウキビ畑の中を荒れはてた線路が延びていたあの鉄道だ。
 オフィスの中は新品のようにぴかぴかで、何故か無人。ドアを押したらなんなく開いた。入り口にはサトウキビ観光列車バーリーフーリー鉄道の可愛らしい姿を載せたポスターが貼ってあるのにオフィス内にはパンフレットの一つも置いてない。

 裏にある駅舎もこのとおり、観葉植物などが飾ってあり綺麗に手入れされている。線路の荒廃状況と対照的だ。が、しかしここも無人。ポスターにあった綺麗な汽車の姿も無い。
 これはどういうことなのだろう。
 やはり考えられるのは、季節営業ということ?
 謎は深まるばかり…。



 真っ直ぐ帰らずに少しビーチに寄ってみよう。
 車の中にいつも水着は積んである。


 ほら、いつの間にか素晴らしい青空だよ。


 波打ち際目指して走っていく子供たち。
 早く早く…。

 クラゲ除けに青いチューブで囲ってあるところが遊泳可能エリア。
 パパはコーラとアイスクリームを買ってきた。大人は腰を下ろしてのんびりすることにした。
 それにしても綺麗な砂浜だね。パームコーブのビーチにはこんな開放感は無かった。4マイルも続くビーチにはぱらぱらと日光浴している人がいるばかり。


 まだまだ遊びたいよ。



 いったん部屋に戻って一休み。
 遅いランチの後は、庭で遊ぼう。

 手に人形を持って、遊ぶ二人。
 リッジス・リーフリゾートは大型ホテルで、ホテル棟とヴィラ(コンドミニアム)の間は少し離れている。私たちの部屋は28号室で、ホテルのロビーに行くには5分ほど歩かなくてはならない。
 敷地内は緑でいっぱいで、カナの大好きなOrange-footed scrabfoulがうろうろしているほか、ギャアギャアとやかましい泣き声が聞こえれば、頭上をレインボウ・ロリキートが群れなして飛んでいくし、時折羽を広げたフルーツ・バットの姿も見ることができる。



 夕方は再びポートダグラスの町へ。

 コールズで買出し。
 このばかでかいのは、ショルダーベーコン。
 モスマンのウールワースと比べると、少し高級感がある。値段ではなく品揃えからそう感じる。場所柄なのかもしれない。
 ポートダグラスのスーパーマーケットは、マリーナミラージュ近くのここ、コールズと、今朝出かけたレインフォレスト・ハビタットの隣のIGAと二つある。何でも手に入るから、コンドミニアム生活でもまったく困らない。

 食料品の買出しが済んだら、今度は街中を歩いてみよう。

 帽子売り場にて。似合う?



 夕方、ホテルのロビーまで散歩してみた。
 リッジスと書かれたホテルの看板に例の緑の蟻が沢山くっついている。
 ロビーの斜め前は、ムンディーズというレストランになっている。蓮の花咲くラグーンに見立てた池に浮かんでいるような作りだ。オープンエアになっていて、とても雰囲気が良さそう。
 ムンディーズの向かいは、シャーク・バー。大きなスクリーンでテレビなど見ながら飲めるようになっている。ビリヤード台もある。
 このシャークバーの隅に、インターネットできるパソコンが二台あって、1ドルで8分繋げられる。
 実は初日に現地モバイルでリアルタイム日記をアップロードしたのだが、翌日からどうしても部屋で繋げなくなってしまった。
 日記アップは無理でも、現状を掲示板に書いておこうと、1ドルコインを投入してみた。自分のパソコンではないので勝手がよく判らないまま繋がった。残念ながら日本語はインストールされていないので、アルファベット以外書くことができないのはもちろん、画面の日本語も全て文字化けしている。掲示板のほかの書き込みも何が書いてあるのかさっぱり判らない。
 とりあえず、モバイルできなくなってしまったこと、旅は楽しく順調に続いていることをローマ字で書き込んだ。
 パソコンのそばでするすると何かが動いた。小さな黒い影は壁を這い登り天井に張り付き、じっと息を潜めた。ちっちゃなトカゲだ。

 そのころパパはロビーでケアンズ-ポートダグラス間のバスについて教えてもらっていた。明日、ケアンズでレンタカーを返却するのだ。車を返してしまった後、ポートダグラスに戻ってくるためにはバスを使うしかない。
 路線バスを使おうと思っていたが、ホテルの人は空港からのシャトルバスの予約を入れてくれた。なんとケアンズのレンタカーオフィスでピックアップしてくれるというのだ。路線バスのバス停を探して歩き回る必要が無いだけでもありがたいじゃない。そのうえ料金も路線バスより少し安い。

 戻ってきたパパに、バーリーフーリー鉄道が本当に動いているのか聞いてみてと頼む。自分で聞いてみろよと言われたけど、私、英語しゃべれないもん(情けない)。
 お願いお願い。

 戻ってきたパパ曰く
「ネクスト マンスに動くって」
 ああ、やっぱり今はまだお休み中だったのか。明々後日からは次の月だけど、自由に動ける日は一日しかないし、そもそもネクストマンスの1日から走るとは限らない。今回は縁が無かったのかな。

 部屋に戻ろうと外へ出て、歩き出すと降るような星空。
 ホテルの小道にはぽつりぽつりと明かりが灯っているし、まだ部屋の窓々にも明るい光が溢れている。けれどホテルを離れれば緑深く、またポートダグラス自体、隣町とは10キロも離れている。
 見上げればプラネタリウムのような満天の星だ。
 今回、ポートダグラスに来たその日から、ずっと夜も晴れ渡っている。
 正面に天の川。天空高く南十字星。サソリの尾は赤く輝き、北斗七星は白く光る。
 あとは見知らぬ星座ばかり。ここは地球の裏側なのだ。
 忙しない日常とは遠く遠く隔たれて…。


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